チーム「船を眺める」

平松み紀


 

思い出の渋谷ジャンジャン。

確か開演が22:00、入りが21:00。

 

今でも椅子から降りるあの振りは覚えている。椅子に背中をずりずりずりとこすりつけながら頭から落ちるあの振り。床に頭をつけて片足は天高く伸ばす。音を一切立てずにスローで降りるあの静けさとバイオリンの音色が空気をつくる。ジャンジャンの空間。

 

出口さんが開発した「キュー出しマシーン」。かわいいネーミングでしょ。

 

食品を入れるタッパーウェアを改良して赤い豆電球を音響照明ブースまで引っぱる。観客と一緒に座る出口さんは繊細な「ここ!」というタイミングで「キュー出しマシーン」のスイッチを押す。ブースの中の赤い豆電球が点灯する。と、寸分たがわず私が音をIN。

 

本番直前に音のボリュームを念入りに確認する出口さんと私。完璧な音が出る。チーム「船を眺める」の共同作業。

 

 

楽しかったね。失敗もしたね。終演後のファミレスでのダメ出しも楽しかったね。無言で食べたこともあったね。この「キュー出しマシーン」は初期の頃のおはなし。

 

わたしの「船を眺める」は、あのブースの中から見えた景色です。

 

 


チーム「船を眺める」」への1件のフィードバック

  1. あはは、「キュー出しマシーン」ね。バカな思いつきだったね。二、三回使って、きみが調光室にいる限りもう要らないってことになった。明らかにおれよりきみの判断の方が精確だったからね。あんなものの図工に三日もかかったのに。でも後日、踊る長谷川ケンの頭のてっぺんに電球を灯してやる装置にちゃんと流用したんだよ(笑)。

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