武ちゃんまんと清実さん

 

平松み紀


 

武元賀寿子さんと前田清実さん。

 

美香さんを美香ちゃんと呼ぶ人たち。

 

お二人とも背が高い。稽古場を大ジャンプで横切る動きがあって追いつかなかった記憶がある。美香さんも二人には追いつけなかった。

 

 

「武ちゃんまんはね~舞台で動きだすと長い手足がどんどん伸びて、こんな感じで凄いんだから」と武ちゃんまんの真似をしていた美香さん。

 

「清実ちゃんはね、文句なしにカッコイイ!」とjazzダンス界のカリスマをキャスティングするあたりが美香さん。

 

あまりダンサーを褒めないが、おふたりは尊敬している、とも言っていた。

 

綱島でお会いしたお二人は10代の私にとって眩しい限り。オーラって奴を初めてみました。そして、優しい。美香さんとも対等だ。稽古場の空気は私たちのそれとは全く違う。大人のクリエーション。

 

私は有難いことに(当時は緊張するわ怒られるわでそんな気持ちは全くなく)美香さん役をやっていた。ちょうど身体の大きさも同じ、美香さんの言葉も比較的理解できる私に美香さんが振りを付ける。その振りをわたしが美香さんに伝える。

 

作品「展開図」のクリエーションはスリリングに進んだ。「はい、その動きを床で」「はい、その動きを一人で」「はい、その動きを逆回転で」「左でやるとどうなる?……」相変わらず難しいよ、美香さん。

 

時間をかけず目が回る勢いで進んだ「展開図」のクリエーション。

 

舞台の場当たり、照明合わせまで「美香さん」になれた10代の私はやはり有難い貴重な時間をいただきました。

 

武ちゃんまんと美香さん。
清実さんと美香さん。
全く違う「展開図」。

 

追悼特別上映会「黒沢美香アンソロジー」に武ちゃんまんと美香さんの「展開図」が登場します。

 

 


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