最後から二番目の思想

堀江進司


 

 

11/25土曜日
大倉山記念館
17:30開場
18:00開演
『一人に一曲』

 

 

黒沢美香追悼企画の幕開けとして選ばれた演目、一人に一曲。

 

おかげさまで第一弾を11月12日に終了することが出来ました。ご来場下さった大勢のお客様、誠にありがとうございます。励ましと沢山の気付きを賜わりました事に御礼申し上げます。

 

本番における不思議な幸福の魔法に導かれ、トップバッターの責務を果たした私達は、lonely woman へのバトンを無事に渡せたのではないかと、胸を撫で下ろしております。

 

あの日あの場所に、美香さんは居てくれたのかも知れません。

 

が、しかし、まだ任務は終わった訳ではありません! 休む間もなく演者も新たに今週末、25日の土曜日、一人に一曲は第二弾へと突き進みます!

 


 

余談ではありますが・・

 

美香さんの愛した素晴らしい建築物、大倉山記念館に足を運んで頂く際には、是非とも、時間にゆとりを持っていらしていただきたいです。

 

と申しますのは、個人的な好みですが、大倉山駅から綱島寄りに少し歩きますけれど、太平館と言う名の渋い銭湯や、その銭湯に隣接する、小ぶりながら素晴らしい商店街もあります。駅の近くには豆のセレクトの素晴らしいテラコーヒー、坂の途中のトツゼンベーカリー等々。お天気良くても悪くても、散策をお楽しみ頂いた後、大倉山記念館での公演をご覧いただくことをおすすめいたします。

 

会場に向かう際には避けて通れない、心臓破りの坂道も、心してご堪能くださいませ。

 


 

本題に戻ります^^

 

美香さんが亡くなられた後も、綱島の稽古場では、毎月最終土曜日に一人に一曲のシステムを活用した、即興の稽古を開催してきました。ダンスを試す時間を絶やさずにいた事が、追悼公演の中で、一人に一曲の披露に至った経緯でもあります。

 

(今後の展開は現時点では未定ですので、一人に一曲の稽古開催の場合は、ウェブサイトにて改めてお知らせさせて頂きたく思っております。)

 

その稽古に参加してきたメンバーを軸に、一回目の一人に一曲は執り行われました。

 


 

一人に一曲の本番に向かおうとする過程で、美香さん亡き後に人前で行う一人に一曲を、どのように捉え、私達の力で運んで行くべきなのか、大いに迷った季節もありました。試行錯誤を重ねる程に、迷路に入り込んでしまっていたのです。

 

原点に立ち返ることが必要と思い、萩原富士夫氏や、出口→氏にお声がけして、当時の活動にまつわる貴重な話をお伺いする機会を設ける事になり、頓珍漢な質問にも快くお答え頂き、対話の花は咲き、盃も重ねながら、ダンスの歴史の上にある現在のダンサーズに至った軌跡を再認識することが出来、意も新たになれました。

 

偶然の果実、というタイトルは、ドゥルーズの著作、ニーチェと哲学、の中から導かれた言葉だそうです。

 

お互いの身体で場を測り合い、ダンスを繋いで生まれる空気の層が、更なるダンスに続いて行く即興の判断。

 

自分の知らない音楽、待ち望んだ音楽、不本意な音楽。何が流れるのか、誰にも予測出来ません。アナログなカセットテープの魅力。

 

くじで選ばれた順番で踊る中、前の人の残したダンスの気配を大事に継承する事もあれば、鮮やかな決意と裏切りの覚悟で場を突き破る事もある。

 

環境を受け入れて、流れる音楽と場に対してダンスでの還元を試みる。一人ひとりの肉体でダンスの華を咲かせることが、一人に一曲の至上目的。

 

偶然の果実の時代には、花肉氣象鎖圖(はなにくきしょうさず)と称されていた、一人に一曲。表題の字を見れば、既に進むべき道は示されていたのです。

 

「花肉氣象鎖圖」

花→ダンサー
肉→身体
氣象→場
鎖→縛られているもの
圖→それから解き放たれたもの

(Text 出口→)

 


 

沢山の身体を通過して練り上げられた、出口さんと美香さんによるルールには、ダンスを発見する装置が秘められており、改めて一人に一曲の偉大さに感服するばかりです。

 

先輩たちの獲得したダンスへの敬意と共に、勝手知ったる仲間だからこそ得られる混沌と飛翔への希求で駆け抜けた2時間のダンスが、初回の一人に一曲だったと、僭越ながら思い返しております。

 


 

前書きが長くなりました m(_ _)m

 

第二弾の一人に一曲では、綱島にて美香さんの空気を浴びたメンバーに加えて、個人での活動を展開しながら、美香さんへの想いに溢れる方達を招き入れ、ダンスの高みを目指す所存です。

 

多種多様な乗組員たちが大海原へと繰り出す航海のように、凪も、荒波も乗り越えた、波乱万丈の豊穣をダンスで志す 11/25の強者は、ウェブサイトにてご確認頂けますので、リンク先からどうぞお入りください。

 

一人に一曲

 


 

エリック・サティの作品で、最後から2番目の思想、という題名のピアノ曲があります。

 

現在、懸命に準備に取り組んでいる、12/29、30、日暮里d-倉庫での、黒沢美香振付作品、黒沢美香&ダンサーズによる、ダンス☆ショーを最後の演目とするならば、この一人に一曲は、ダンサーズによる、最後から二番目の思想、なのかも知れません。

 


 

あなたの視線は私のダンスを萎えもさせ、奮い立たせてもくれます。厳しくも慈悲深きダンスへの眼差しをあなたが私に差し出すならば、ダンスの奴隷となった私への眼差しと共に、あなたも踊っているのです。

 

一人に一曲へのご来場、心よりお待ちしております。

 

 

 


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